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普遍性とリアリズム 陽炎日記

『げんしけん』で有名な木尾士目の短編集。良く有りがちな、物語の節々に哲学的な台詞をこれ見よがしに散りばめる漫画とは違い、本書は大学生の何気ない会話で、ふと真面目に語り合ってしまうところにそれを含めています。

 

また、断片的に物事を語るならノンフィクションに限りなく近付けるけど、物語性を持たせるとなると否応無しにフィクションになる。にもかかわらずこの漫画が、男女の恋愛における「普遍性」と「リアリズム」を兼ね備えているのは、勿論のこと著者の経験談が反映されているが、やはり漫画家としての表現力が旨いからだと思います。

 

絵は現在の木尾士目に比べたら下手だけど、収録されている3つの短編どれも、結末までの流れが素晴らしい。